快適な家具で素敵な生活
椅子〜Chair〜
椅子とは人が座る際に使う器具の一つです。一般に屋内で使用されるため家具に分類されます。構造的にはすべての椅子には座面を持ちます。典型的な椅子は4本の脚と背凭れを持ち、しばしば、ひじ掛けがつきます。
直に床に座るよりも立位へ移行しやすく活動しやすいです。また、芸術や人間工学の対象ともされ、様々なデザインが考察されています。椅子はある特定の人物の座席として用いられることから地位の象徴でもあり、慣用的な表現として、社長ポスト→地位を「社長椅子」と言ったりします。
日本の椅子文化
日本では平安時代に身分によって、椅子、床子などが用いられることがありましたが、継続・普及はしませんでした。屋外においては、戦場などで折りたたみ椅子や、また、露天の茶店などでベンチに相当する椅子は用いられました。
しかしこれらは一時的に腰を掛けるものであり、普段は畳に直接座る生活習慣を持っていました。
江戸時代以前でも西洋と交流・交易のあった場所や、教会や洋館などでは用いられていました。文明開化を経た後、学校や役場などでは椅子が用いられるようになりました。
しかし、和室・畳文化の生活習慣や、畳の上での使用のふじゆうさなど、椅子を用いる必然性が低かったため、一般家庭に普及するには時間がかかったようです。
まして、畳に床の間のあるような家がほとんどでしたから、インテリアなんて言っても家宝の日本刀や掛け軸・美術骨董品が飾ってある状態ですからなかなか日本人としては受け入れがたいスタイルだったのかもしれません。
西洋文化が反映してきた頃には、刀を持たなくなり、飾るモノも代わり、日本刀を扱う販売店や美術骨董品の店舗もここで数が減ったと聞いています。
日本の一般家庭で椅子が用いられるようになったのは、明治時代に入って西洋文化が流入し、洋間が取り入られるようになってからです。それまでは、座布団など椅子の役目を担っていました。現代日本では学校や一般家庭をはじめ多くの場所で用いられています。
椅子の種類
椅子の用途は作業するためと休息するための2つに分けられます。椅子は目的に応じて座る姿勢が違うことから、一般的には複数の用途にまたがって利用することが出来ない家具として位置つけられており、用途に応じて複数の種類が存在します。無理に複数用途にまたがる利用をした場合は大体の場合、椅子のいつ部が必ず破損すると言われています。
【座椅子】
和室などで用いる脚のない椅子です。背もたれの角度が調節できるものと座椅子を構成する合板などの素材による弾力性を生かしたものがあります。肘掛けとして脇息(きょうそく)と共に用いられることが多いです。
【事務用椅子】
執務作業で用いる椅子の総称です。支柱が一本で、複数に分かれた脚部の先に車輪がついていることが多いです。
【ソファ】
接客目的で用いる弾力のある素材で作られている背もたれの付いた長椅子です。表装はファブリックと呼ばれる布製や皮革製品があります。
【ベンチ】
形状は横長だけでなく、樹木の周りに沿わせた円形のものもあり、複数の人が腰掛けることができるようにした長椅子全般を指します。野外に置かれることが多く、木・プラスチック・金属などでできています。
一般に耐候性に優れた材質や表面加工をしたものが多いです。
【ロッキングチェア】
一般には椅子の脚の接地面側に橇状の湾曲した部材が取り付いており、重心を動かすことで前後に揺れる機能を有した椅子です。
【車椅子】
歩行が困難な人が用い、進行するために両側に手押し車が付いた椅子です。大抵の場合、折りたたむことができ、軽量化を図るために金属製が多いです。
【寝椅子】
身体を横にすることができる椅子の総称です。病院の診察室などで用いられることが多く、座った時の高さが通常の椅子と同じ高さになっていることから就寝用の家具であるベッドと区別します。
【マッサージ椅子】
マッサージ機能がついた椅子の総称です。電動モーターにより指圧球が上下し、筋肉のこった部分を揉みほぐす機能があります。
近年では背筋を揉み解すだけでなく立ち作業による足のむくみをほぐすための機能なども加わり、プログラム化されたマッサージメニューが選択できます。家電メーカーによっては心臓の心拍に合わせて制御する機能を備えたものもあります。
【ミルクスルーツ】
ヒモを付け壁に掛けることができる脚が3本の小さな椅子で牛の乳絞りの際に用います。搾乳用腰掛とも言います。
他の椅子が日本人向けでは座る高さが40cm程度に対して25cmと低いです。
【空気椅子】
実際の椅子ではなく、大腿筋を強化する目的で背中を壁につけ仮想の椅子に座る姿勢を維持させるアイソメトリック運動の一つです。大腿筋の強化よりも膝関節に負担が掛かることが知られるようになり、用いられることがなくなりました。無理な姿勢を強要することからシゴキとして用いられることがありました。
pickup
Last update:2023/5/22